親家の隣に建つ住まい

●設計事例の所在地: 
東京都中野区
●面積(坪): 
34
●建物の種類(大分類): 
住宅関連
●メインの画像: 
●メイン画像の説明文: 

都内の駅に近く親家の隣の祖父母の住まいがあった敷地に建てた住まいです。
駐車場、門廻りは既存共有です。
近住2世帯は、共に支え合える形として理想に近いものがあります。
クライアントはレンガ色がお好きで親家のポーチや既存駐車場床にも使われていたので、外観のイメージはレンガ色とこの住まいのテーマであるシンプルなつくりです。

玄関ドアは木製防火戸。行き来する両親のための手摺を付けました。

建てる前に依頼者が悩んでいた事・ご希望: 

シンプルで快適な家。隣家の両親が来易く、使いやすい家。息苦しくなく開けた空が見える空間がある。収納が充実している。生活動線に配慮して欲しい。

依頼者があなたに依頼した決め手: 

きちんと話を聞いていただけた実感がある。また、ホームページなどを見て、シンプルさを大事にしつつ、外の空間を含めての居住性を考える家づくりに共感した。

●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など): 

クライアントは住まいづくりのご経験はありましたが、設計者との住まいづくりは初めてでした。お打合せは13回、打合せ報告書とグループメールをつくり問題の解決につとめました。現場監理は33回、現場監理報告書、現場写真帳を施工者も含めたグループメールに送り、住まいづくりを共有化し、要所では現場説明を行ないました。一緒につくる環境をもちこの住まいをより知っていただくことで、これからの楽しい生活が始まると考えております。

依頼者の声: 

2015年の残暑が厳しい頃にこのサイトに依頼を掲載させていただきました。多くのお返事を頂き、数人の方とのやり取りを経て、ほぼ直観的に(有)TAM建築設計室の新井さんに我が家の『家づくり』のパートナーをお願いしました。昨年夏に着工し、この春無事に竣工、引っ越しを済ませ新しい我が家での暮らしを楽しんでいます。
 TAMの新井さんを選んだ理由は、いくつかありますが、結局のところ“フィーリング”“直観”が大きかったと思います。いくら知識を身に着けたところで経験豊かなプロには敵いませんので、選ぶ大前提として、まずはきちんとこちらの意図や気持ちを汲み取ろうとして下さる方、そしてこちらの無知にも丁寧にお付き合いして説明をしてくださる方ということは意識していましたが、最終的には「気が合いそう」、「作品が自分たちのイメージに合いそう」という直観も大事にしました。
 結果として、私たちの『家づくり』は非常に満足度の高いものでした。
 TAMさんのすごいところは、専門家としての意見ははっきり持ちつつも、こちらの気持ちや考えも可能な限り満たそうとして下さることだと思います。何回も行った打ち合わせやメールのやり取りの中で、一度は「それは難しい」「現実的でない」と判断されたことが次回の打ち合わせ時には新しい提案の形で取り入れられることもしばしばありました。実際に家の形も3度ほど大きく変更していただきました。大変なご苦労をおかけしたと思います。
 また、TAMさんのホームページには“私共には「住まいを楽しんでもらおう」という気持ちが第一にあります。”と書かれていますが、まさにそれを地で行く作業でした。素材一つ一つをとってもサンプルをきちんと提示してくださったり、一緒にショールームを回ってくださったり、インテリアもこだわりを持ってお勧めして下さったり。植木の移植や既存壁の清掃なども、一緒に汗水流して作業するなど、経費削減と家づくり参加の機会を作ってくださいました。子供たちも一緒に楽しんで作業したことは良い思い出となっています。
 ご夫婦で営まれていることも大きな魅力でした。ご夫婦の軽妙なやり取りは非常に楽しく、お互いを補いあう役割分担もされていて、こちらとしても「ここはご主人の意見を聞こう」「ここは奥様の意見を聞きたい」とそれぞれを頼りにさせて頂いておりました。
 施工はやはりTAMさんのお引き合わせで内田産業さんにお願いをしました。TAMさんの監理のもと、非常に丁寧にお仕事をしていただきました。大変感謝しています。大工さんとの会話も楽しく、メンテナンスでまたお会いするのも楽しみにしています。
 我が家の『家づくり』はまだ終わったわけではありません。TAMさんからは「これからはDIYの部分もボランティアでお付き合いしますよ」と笑顔で仰っていただきました。少しずつ生活に合わせて整えたり、維持していく部分があり、メンテナンスがあります。作りっぱなしではなく、その後のことも丁寧に配慮いただき、末永いお付き合いとなることが今後も楽しみです。
 素晴らしい家づくりへの出会いを頂いたこのサイトにも、充実した『家づくり』を提供して下さったTAMさんや、丁寧な仕事をして下さった内田産業さんに篤く御礼を申し上げます。ありがとうございました。

その他の画像: 

1階リビングダイニングからつながる濡縁はご主人がガーデニングがお好きということで提案しました。子供たちとの庭いじり時の休憩のイメージです。
ここの住まいが建つ前の植木の植え替えはご家族とTAMと造園の馬渡さんで行いました。
濡縁は未塗装ですが、外構などTAMとDIYの予定です。目隠しの高木も植木場で探すことになっています。
2階テラスは巾3間、奥行1間あります。洗濯物を思い切り干したいとのご希望と子供たちの要望です。
外に視界も床もつながる空間は、子供たちにとって楽しい場所となるでしょう。
屋上テラスはご希望の空に開けた場所です。前面がずっと2階建のため珍しく遮るものがなく都心が遠望できます。

玄関です。
TAMの住まいづくりを見て、木製玄関ドアをご希望でした。延焼線に当たるため防火木製ドアとしました。
照明器具はTAMの竣工祝です。シンプルな中に華を添えようと、クライアントさんの今までの言葉から感じたイメージで選定しました。

ダイニングキッチンを見ています。
白木の造作家具にTAMの住まいづくりを見てのオリジナル照明。
家具はカンデイハウスのレジェーロダイニングを選びました。
座のカバーは正面カーテンのウイリアムモリスのGRAPEVINEに色合わせしました。
リビングとダイニング、書斎コーナーと音楽室はランニングコストを考慮しヒートポンプ式の温水床暖房としました。

造作家具のTV置場と隣のアップライトピアノ置場。
ピアノ上の窓からは正午から14時の光が入ります。
親家の紅葉が見える窓でもあります。
ソファはカンデイハウスのエクリプスリビングが置かれます。
生地はウイリアムモリスに色合わせしました。

リビング入口にある書斎コーナーは学校講師の奥さまの場所です。

ご主人は3畳の音楽室で電子ピアノとバイオリンの楽器練習。
壁と天井は石膏ボード+遮音シートと合板(反響)、穴あき合板(吸音)の間にポリエステル吸音材を挟んだ2重構造。
遮音2重窓のガラスは遮音ガラス使用。
外ではほとんど音が聞こえないレベルで出来ました。また、適度の反響となりました。
机と棚は床と同じブラックチェリーの無垢板です。

台所はクリナップのシステムキッチン。奥はパントリーとなっています。
床材は水濡れに強いコルクタイルをおすすめしました。

パントリーと勝手口。
床点検口は床下収納兼用。
天井点検口は給水給湯管のメンテテナンスと排水管の点検口。

屋上に上がる階段は階下に光を落します。

階段と手すりは製作です。
同材、同デザインのためイメージがシンプルです。
手すり、受け共に木製で唯一無二で経済的です。

設計者

ユーザー TAM建築設計室 新井敏洋 の写真
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Last seen: 7ヶ月 23時間 前
登録日: 2012-07-24 10:23